最近よく耳にするようになった「免疫力」という言葉。でも免疫力とは、そもそもいったい何なのでしょう?自分で免疫力を高めたりすることはできるのでしょうか?
今回は2人の先生に、免疫力についての解説と、免疫力を高めるためのヒントを教えていただきます。
免疫とは、体内に入ってきた外敵を駆除して健康を保つシステムで、大きく分けて2段階あります。一つは、日々の生活でウイルスや細菌などの異物の侵入を防御する粘膜免疫。もう一つが体に侵入したウイルスや細菌に対して働く全身免疫です。感染予防には、最初の防御機能である粘膜免疫の強化が重要です。では、どんなことに努めたらよいのでしょう?
粘膜免疫の中で主体的に活躍する免疫物質にIgA抗体(以下、IgA)があります。IgAが低下すると病気にかかりやすくなったり、疲れやすくなります。このIgAが全身で最も多く存在するのが腸です。「IgAは、腸内でいろいろな病原体にとりついて、便として排出する性質をもちますが、さまざまな環境や薬剤などの影響を受けて増えたり減ったりします。日頃の食事で腸内環境を整えることでIgAを増やすことは、免疫力を高めることにつながります」
教えてくれたのは
京都府立医科大学大学院医学研究科
生体免疫栄養学 教授
内藤裕二先生
ないとう・ゆうじ 京都府立医科大学卒業。長年、腸内細菌を研究し続けている腸のスペシャリスト。消化器専門医として診療にあたる一方、最新医学に精通し各地で講演も。京丹後市の長寿研究で腸内フローラに ついての調査にも従事。
出典:毎日が発見2020年9月号より
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