便秘は女性によく見られるお悩みの一種で、生理前に起こりやすいという声もよくあります。便秘は人間の身体にさまざまな悪影響をおよぼしますが、そのうちの一つに、肌荒れの症状が挙げられます。最近お肌の調子が悪い……という方は、便秘との関連を疑ってみると良いかもしれません。
そこでこの記事では、便秘が肌荒れを引き起こす原因と、肌荒れ改善につながる便秘解消方法について解説します。
便秘と肌荒れの関係を考えるにあたり、まずは便秘とは何か、どうして起こるのかについて知っておきましょう。
人間の体内に入った食べ物は胃腸を通るうちに栄養素が吸収され、残ったカスから余計な水分を取り除いたものが便として排出されます。この過程で水分を取り除く大腸の働きが悪いと、食べカスが長時間体内に居残ってしまいます。
その結果、水分が減り過ぎるなどして、便の体積が減ったり滑りが悪くなったりすることで、腸内に便がいることを認識しづらくなることがあります。便意を感じづらくなるためトイレに行く回数が減り、便秘になってしまうのです。
日本内科学会によると、便秘の定義として、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と説明されています。この症状に当てはまる場合は便秘が疑われますので、対策が必要です。
便秘は身体にさまざまな影響をおよぼし、その一つに肌荒れの症状です。便秘と肌荒れには因果関係があると考えられています。そこでここでは、便秘が肌荒れを引き起こすメカニズムについて解説します。
便が腸内に長時間滞留すると、体内で便の腐敗が進みます。その結果、体内で悪玉菌が増え、悪玉菌が有害物質を作り出します。
生成された有害物質は血液に吸収されて身体のなかを巡りますが、一部が汗として肌から出ていく際に肌荒れを引き起こすといわれています。
また、血液中の毒素による血流の悪化や、新陳代謝の低下も、肌に悪影響が出る理由の一つと考えられています。
きれいな肌を保つには、肌の新陳代謝、すなわちターンオーバー機能が正常に働いてくれることが重要です。しかし、便秘をきっかけとして腸内で毒素が生成されると、肌のターンオーバー機能にも悪影響を与える可能性が指摘されています。
一説によると、血液によって運ばれた有害物質は肌に蓄積され、表皮細胞の生まれ変わりを阻害するといわれています。
また、毒素や老廃物が溜まるとそれらの分解にエネルギーが使われてしまいますが、このことも、肌の新陳代謝が滞る原因の一つです。
便秘によって本来の健康的なコンディションでなくなると、人間の身体はストレスを感じます。女性の場合、このストレスに対抗しようとする際に、体内で副腎皮質ホルモンや男性ホルモンの分泌が進むといわれています。
副腎皮質ホルモンや男性ホルモンは、皮脂腺の働きを活発にする作用を持ちます。そのため、皮脂腺の多い部位に吹き出物をはじめとした肌荒れが生じる原因となるのです。
肌荒れが起きるとつい外側からのケアに気を取られてしまいがちですが、根本原因が便秘である場合は、便秘解消に努めることが重要です。ここでは、便秘改善のために生活のなかで心がけると良いことについて解説します。
まず、便秘になりやすい食習慣がある場合は見直しましょう。例えば、食事の時間が不規則だと便秘になる可能性が高まります。自律神経を整え、身体に一定のリズムを覚えさせるために食事の時間を規則正しく整えると、便秘解消にも良い効果があるでしょう。
また、眠っている間に休んでいた内臓を起こして動かすには、朝食を摂ることが有効です。朝は大腸の収縮運動が強く、排便を促す絶好のタイミングでもあります。忙しくて朝ごはんをつい抜いてしまう方は、朝食を摂ることから始めてみましょう。
食事の内容としては、食物繊維と水分を十分に摂取するのが便秘解消に効果的です。水分が不足すると便が固まってしまい、腸内をスムーズに移動してくれません。食物繊維は、ファストフードのような外食に頼り過ぎると不足しがちなので気を付けましょう。
便秘には大腸をはじめとした内臓の動きが大きく関わっており、内臓が正常に働くかどうかは自律神経に左右されています。規則正しい生活を心がけて、自律神経の乱れからくる便秘を予防しましょう。
例えば、睡眠不足になると交感神経が優位になり、胃腸の働きを弱める可能性があります。便秘予防や解消には、良質な睡眠を取り、副交感神経の働きを活発化させることが大切です。
それとともに、毎日決まった時間にトイレに行くなどして、排便のリズムを整えていきましょう。
便秘の原因として、腸の動きが鈍っていることが挙げられます。軽い運動をすると腸に刺激が伝わるため、排便を促すことができます。この場合、ハードな運動は必要ありません。例えば軽いジョギングやウォーキングでも十分です。
また、運動を通じて腹筋が鍛えられ、排便時に必要となるお腹周りの筋肉が強くなることも、便秘解消に効果的といえます。
腸の動きの悪さを解消するためには、外から温めたりマッサージしたりするのも有効です。入浴はシャワーで済ませずにお湯に浸かるように心がけるほか、季節によっては腹巻を使うなどして温めるとよいでしょう。
マッサージする場合はあくまでも肌を傷めない強さで、へその周りに「の」の字を書くようにマッサージします。
生活習慣を改善しても便秘がなかなか良くならない場合は、便秘薬を試してみるのも一つの手です。便秘薬は大腸のぜんどう運動を促す作用などにより、自力で改善できない頑固な便秘の解消をサポートしてくれます。
注意点としては、最初から強い薬を使うのではなく、効果が比較的穏やかなものから始めてみましょう。また、便をやわらかくする効果がある薬を飲む場合は、食物繊維を意識して摂ると効果が出やすいでしょう。
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便秘は人間の身体にさまざまな悪い影響をおよぼしますが、肌荒れの症状もそのうちの一つです。そのため、便秘中に肌が荒れがちという方は、外側からの肌ケアだけではなかなか改善しないかもしれません。
根本原因と考えられる便秘を解消することで、お肌も本来の状態に戻る可能性があります。生活習慣の改善や軽い運動、必要に応じて便秘薬なども利用して、積極的に便秘解消していきましょう。
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